いよいよ今年も美山窯元祭りの準備が始まりました。
看板立ての準備や町の清掃など、住民の方々の力も借りながら着々と進んでいます。
今月の特集は2011年の美山窯元祭りで沈壽官窯さんにて特別に取材させていただいた登り窯の窯炊きの様子をレポートいたします!
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火入れ初日 ~窯元祭り3日前~
夕方17時。(スタートが毎年同じ時間とは限らないそうです。)
まずはお酒などを供えて神様に手を合わせてから、厳かな雰囲気の中でついに火入れが始まります。
火入れは、二昼夜行われるということで、取材させて頂いたこの日はまだまだ序盤。
初め200度くらいだった窯の温度を少しずつ上げ、調整しながらだいたい1300度を目指して薪(松)を入れていきます。
この日のために用意されたこんなに多くの薪たちが、陶器たちの誕生には不可欠なんですね!
もちろんその日の天候などによって温度も変わるとのことでしたが、今回は1280度が目標とのこと。
とはいえ、温度計は単に目安となるもので、壽官さんの目と耳と経験により、薪を入れるタイミングや量が決まります。
すごい!
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火入れから2日目 ~窯元祭り2日前~
朝陽が昇っても、とにかく薪を入れ続けます。
窯の両側に壽官さんと窯焚き職人がそれぞれスタンバイし、声を掛け合い時計と温度計を見ながら薪を入れるタイミングをはかります。
前の晩から壽官さんの息子さんも加わり、親子で火の様子を見る場面も。
窯の中の炎はまるで生きているかのように姿かたちを変え、気を抜くとすぐに温度が下がってしまうというデリケートなもの。
終盤には、燃えに燃えた薪たちが炭となり、まるで一面宝石の海のよう。
本当に美しい瞬間でした。
そして夜中の0時、壽官さんの判断で薪を入れるのを止め、登り窯の入り口をレンガできれいにふさいでいきます。
後は、火が徐々に消えていくのを待つということで、今回の火入れは終了。
皆様、寝ずの番、そして大変な作業、本当にお疲れ様でした。
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火入れから3日目・4日目 ~窯元祭り1日前・お祭り当日~
窯のまわりは2mほど離れたところでも、ほんのりあたたか。
それ以上近づくと熱いので、窯の前には立ち入り禁止の柵が設けられるほど!
窯の中の生まれたばかりの陶器たちは急激な温度変化に弱いので、丸一日以上の時間をかけてゆっくりと冷やされていきます。
翌日の窯出しにむけて静かに時を待つ登り窯とは対照的に、多くの人たちの期待と熱気に満ちた窯元祭りはスタートしました。
このように多くの時間と手間をかけて、窯元祭りの準備をされてるんですね。
初めて見るものばかりで本当に感動しっぱなしでした!
火入れから5・6日目 ~窯元祭り2・3日目~
待ちに待った今回の窯出しは、お昼の13時から行われました。
どんな作品があがってくるか、お客様はもちろん、職人さんたちもドキドキ・ワクワク!
壽官さんの楽しいトークと分かりやすい説明を聞きながら、窯からひとつひとつ出てくる陶器たちを見ることが出来ました。
多くのカメラマンやお客様が見つめる窯から出たアツアツの陶器たちは、職人さんの手によりきれいに磨かれた後、
まだほんのりあたたかいうちに、テントに並びます。
こちらで販売してくださるのは、み~んな職人さんたち。
明るい皆さんのおかげで、ますます窯元祭りが盛り上がります。
さすがは絵付けの職人さんです。
個人的にこの絵心あるポップにも惹かれちゃいました。
毎年お祭りで使われる窯や窯出しされる器の数、作業する日程も変わるそうですが、
来年の窯出しも今からとても楽しみですね!
ちなみにこの登り窯、今では年に数回しか使用されないそうなので、窯元祭りは貴重な瞬間が見れるチャンスでもあるんです。
焼きたて陶器たちの、あのあたたかさを皆様も是非一度、体感して下さいね。
心まで温かくなりますよ。
2012年の美山窯元祭りは11月2日〜4日まで。
少しずつサイトでも情報を発信して行く予定です。
お楽しみに。
2012. 9.1 up